ASDとADHDは併発する?それぞれの特徴や判別方法を解説
2025.06.12発達障害である「自閉スペクトラム症(ASD)」と「注意欠如多動症(ADHD)」は、併発する可能性があります。
どちらの特性も持っていると生活へ大きな影響が出るケースもあるため、適切な診断と支援を受けることが大切です。
この記事では、ASDとADHDが併発する可能性や、併存している場合に見られる特徴を解説します。
ASDとADHDが併発するケースもある
ASDとADHDは併発する可能性があります。
厚生労働省の内示を受けて実施された研究によると、被験者の成人838人のうち225人、約27%の方がASDとADHDを併発していたようです。
ASDとADHDが併存すると、社会生活への適応が難しくなる可能性があります。
ASDの「興味の狭さ」や、ADHDの「注意力の不足」「多動性」などの特性が組み合わさり、仕事や他人とのコミュニケーションに苦労するためです。
社会生活で苦労しないためにも、併存が疑われる場合は適切な診断を受けるのが重要です。
関連記事:「大人のASD」の特徴5選!気づいた場合の相談先も紹介
ASDとADHDが併発する方に見られる特徴
ASDとADHDのどちらも持っている方に見られやすい特徴を紹介します。
無意識に他人を傷つけてしまう
ASD・ADHDを併発していると、意図せず他人を傷つけてしまう場合があります。
ASDでは「相手の気持ちを察しにくい」特徴が見られ、相手に配慮せず発言してしまう方もいるためです。
一方、ADHDでは、人との約束を忘れてしまい、交友関係でトラブルが発生するケースもあるでしょう。
コミュニケーションが苦手
ASDとADHDの方は相手の気持ちを深く考えずに発言してしまう、一人で喋り続ける、相手の反応を待たずに発言するなどの特徴があり、コミュニケーションに苦労する方もいます。
他人とのコミュニケーションに強い苦手意識がある場合、併発している可能性があります。
作業効率が低い
ASD・ADHDを併発していると、勉強や仕事などの作業が捗らない場合があります。
ASDは興味のない分野の作業や、工程の多い作業、複雑な作業などが苦手です。
ADHDには集中力の低さや、意識の逸れやすさから、作業を終わらせるのに時間がかかる方もいます。
協調性のない行動をとってしまう
ASD・ADHDの併発により、人との協調性が低くなる可能性があります。
ASDは興味の範囲が狭いため、自分の好きなことだけしようとする場合があります。
一方、ADHDの場合は突発的な行動をとってしまいやすく、周りに合わせるのが苦手な方もいるでしょう。
ASDとADHDの併発を判別する方法
ASDやADHDが疑われる場合、精神科を受診して診断を受けることが重要です。
精神科医では発達障害の診断基準に基づき、問診や検査を実施して、ASDやADHDの診断を下します。
併発している場合は手厚い支援が必要になるケースもあるため、専門医から治療や利用するサービスのアドバイスを受けましょう。
参照:政府広報オンライン/発達障害に気付いたら?大人になって気付いたときの専門相談窓口
ASDとADHDの併発で生きづらいと感じるなら早めに受診しよう
ASDとADHDが併発すると、どちらかだけの場合よりも強く生活に支障が出る可能性があります。
どちらの特徴も見られる場合、早めに精神科を受診して治療や生活へのアドバイスを受けましょう。
診断後に利用するサービスとして、訪問看護を利用するのもおすすめです。
『訪問看護ステーションリスタ』では、ASDやADHDの特性がある方への支援も行っています。
看護師による日常生活へのサポートや、社会生活へ適応するためのアドバイスなど支援を希望される方は、ぜひ『こちら』からご相談ください。