愛着障害の特徴・原因・治療法を診断テスト付きで解説
2025.04.28幼少期の育ち方が原因で社会性に問題が生じる「愛着障害」をご存じでしょうか。
人と関わるのが苦手な方、なんとなく生きづらいと感じている方は、愛着障害にあてはまるかもしれません。
この記事では、愛着障害の種類ごとの特徴や、愛着障害になる原因、治療法を解説します。
愛着障害の診断に役立つ簡単なテストも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
愛着障害とは?
愛着障害は「幼少期に養育者との間で愛着を形成できなかったために、対人関係や精神面に問題を抱えている状態」です。
親や恩師などの特定の人に対して安心感や信頼感を持たずに成長すると、他人との適切な距離感や関わり方が分からなくなり、愛着障害と呼ばれる状態になります。
愛着障害の子どもは、体調不良や睡眠障害を起こしやすくなるほか、自傷行為に走ったり他人を傷つけたりします。
また大人になってからも、対人関係の悩みや精神的な不安定さを抱えてしまい、精神疾患に発展してしまう方も珍しくありません。
参照:日本総研/愛着(アタッチメント)
※厚生労働省の内示を受けて作成した資料
愛着障害の種類と特徴
愛着障害は大きく分けて2種類に分けられます。
「反応性アタッチメント障害」と「脱抑制型愛着障害」それぞれの特徴を見ていきましょう。
反応性アタッチメント障害
反応性アタッチメント障害は「人を頼るのが苦手」な愛着障害のパターンです。
反応性アタッチメント障害では以下のような特徴が見られます。
・他人を信用できない
・警戒心や恐怖心が強い
・人の言葉に深く傷つく
・嘘をつきやすい
・自己肯定感が低い
・感情の起伏が少ない
他人を信用するのが苦手であり、学校や会社などで良好な人間関係を築けません。
仕事を人に頼れず、自分で抱え込んでしまう場合もあります。
参照:日本総研/愛着(アタッチメント)
※厚生労働省の内示を受けて作成した資料
脱抑制型愛着障害
脱抑制型愛着障害の方は「誰にでも甘える」のが特徴です。
脱抑制型愛着障害の方には、以下のような特徴が見られます。
・誰にでもなつく
・人の注意を引くために大声を出す
・わがままな言動がみられる
・強情で意地悪
・嘘をつきやすい
他者と交流を持つことは可能であるため、一見すると社会生活には問題があるように見えません。
しかし、誰にでも依存したり、無差別に人を頼ったりするため、信用を失う場合もあります。
参照:日本総研/愛着(アタッチメント)
※厚生労働省の内示を受けて作成した資料
愛着障害の治療法
愛着障害を治療したいなら、精神科や心療内科など「こころの病気の専門家」へ相談しましょう。
愛着障害になった原因を客観的に評価し、適切な手順で克服していくには、専門家のサポートが必要だからです。
また、大人になってから愛着障害の影響に悩んでいる場合も、専門医のカウンセリングで解決できる可能性があります。
愛着障害から精神疾患を併発しているケースもあるため、心配な場合は早めに精神科や心療内科を受診しましょう。
愛着障害の診断テスト
愛着障害を疑う方に向けて、簡易的な診断テストを紹介します。
複数の項目にあてはまる場合は、愛着障害を抱えているかもしれません。
ただし、あくまで可能性があるというだけにとどめ、心配な場合は精神科や心療内科を受診しましょう。
【反応性アタッチメント障害の診断】
・けがをしたときに大人を頼らない
・大人から慰められるのを避ける
・人と関わる様子がない
・大人を怖がる様子がある
【脱抑制型愛着障害の診断】
・見知らぬ人にも抱き着こうとする
・誰にでもなれなれしい態度で接する
・友達に意地悪をする
・大声で人の気をひこうとする
【大人の愛着障害】
・怒りをコントロールできない
・人との適切な距離感がわからない
・自分には価値がないと思う
・親やパートナーとの関係がうまくいかない
参照:日本総研/愛着(アタッチメント)
※厚生労働省の内示を受けて作成した資料
愛着障害を疑うときは精神科で診断を受けよう
愛着障害があると、大人になってからも困る場面が出てきます。
人との関わり方が難しい、なんとなく生きづらいと感じている方は愛着障害を抱えている可能性があるため、精神科や心療内科で相談しましょう。
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