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傷病手当金が「もらえない」ケースを全解説!不支給の理由と落とし穴を避ける対策

2026.02.01

「条件は満たしているはずなのに、なぜか不支給通知が届いた」
「医師には休めと言われたのに、書類が通らないと言われた」

傷病手当金の申請において、こうしたトラブルは後を絶ちません。
多くの場合、原因は「本人の病状が軽いから」ではなく、「制度のルールを正しく踏めていないから」です。

傷病手当金は、感情や気合いで決まるものではありません。
4つの支給条件という「パズル」を完璧に組み合わせ、事実と書類を整えることが、確実に給付を受けるための唯一の道です。

1. 傷病手当金の「支給4条件」をおさらい

まずは、大前提となる4つの条件を確認しましょう。このうち1つでも欠けると、その時点で不支給が確定します。

条件 内容
① 業務外の病気・ケガである 仕事中や通勤中(つまり労災案件)ではないこと。
② 労務不能(働けない状態) 今の仕事ができる状態ではないと医師が判断していること。
③ 待期3日間を完了している 3日間連続で休み(有給・無給問わず)、4日目以降も休んでいること。
④ 給与の支払いがない 休職期間中に給与が出ていない、または手当金より少ないこと。

2. 【ケース別】傷病手当金がもらえない理由と対策

ここからは、実際に現場でよく起こる「不支給パターン」を深掘りし、その対策を解説します。

①「業務上(労災)」と判断されてしまうケース

仕事のストレスによる適応障害や、職場でのケガなどは「労災」の範疇です。傷病手当金は「業務外(私傷病)」のための制度なので、労災として扱う場合は支給されません。

落とし穴: 労災か私傷病か曖昧なまま申請し、健康保険組合から「これは労災では?」と疑義をかけられると審査が止まります。

対策: 最初の診察で、原因が業務にあるのか、プライベートにあるのかを整理して医師に伝えましょう。もし業務が原因なら労災申請を、そうでないなら私傷病としての事実関係を明確にします。

② 医師の意見書に「労務不能」と書かれないケース

これが最も多い不支給理由の一つです。本人が「辛くて動けない」と思っていても、医師が意見書に「軽作業なら可能」「短時間なら就労可」といったニュアンスで書くと、保険組合は「労務不能ではない」と判断します。

落とし穴: 診察時に「最近どうですか?」と聞かれ、無理をして「少し良くなりました」と答えてしまうと、意見書のトーンが「回復」に寄ってしまいます。

対策: 診察では、「実際の業務内容に対して、何ができないか」を具体的に伝えましょう。「パソコンの前に座ると動悸がして10分ももたない」「電話の音が怖くて出られない」など、生活言語で不自由さを伝えることが、医師に「労務不能」を正しく記載してもらう鍵です。

③ 「待期3日間」のカウントミス

傷病手当金は、休み始めた日から「連続して3日間」の待機期間が必要です。

落とし穴: 2日休んで、3日目に「申し訳ないから」と1日だけ出勤してしまうと、待期はリセットされ、また1日目から数え直しになります。

対策: 土日祝日も待期期間にカウントされます。「金・土・日」と休めば、月曜日から支給対象です。「3日間は絶対に職場に顔を出さない」ことが鉄則です。

補足
: 待期期間中の3日間は、有給休暇を使っても、欠勤(無給)でも構いません。待期は「労務不能で休んでいる事実」があれば成立します。

④ 有給休暇や給与との調整(差額の壁)

傷病手当金は、あくまで「給与が出ないことによる生活保障」です。

落とし穴: 休職期間中、ずっと有給休暇を消化している場合、給与(100%)が傷病手当金(約67%)を上回るため、手当金は支給されません。

対策: 「いつまで有給を使い、いつから傷病手当金に切り替えるか」のシミュレーションが重要です。特に退職を考えている場合、有給の残日数と申請期間の兼ね合いを社労士や訪問看護師などに相談することをお勧めします。

⑤ 健康保険の種類が「国民健康保険」である

傷病手当金は、会社員が加入する「健康保険(協会けんぽ、健保組合など)」の制度です。

落とし穴: 自営業やフリーランスが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金の仕組みがありません。
(※新型コロナウイルス等の特例を除く)

対策: 自分がどの保険に加入しているか、保険証を今すぐ確認してください。「協会けんぽ」「〇〇健康保険組合」「共済組合」であれば対象です。

⑥ 支給期間(1年6か月)の終了

2022年1月の法改正により、傷病手当金の支給期間は「支給開始日から通算1年6か月」となりました。

落とし穴: 法改正前は「1年6か月の期間が過ぎたら終了」でしたが、現在は「通算」です。一度復職して再び休んだ場合、前の期間と合算して1年6か月に達するまでもらえます。

対策: 「いつが支給開始日か」を把握し、自分が残り何日分受給できるのかを管理しましょう。

3. 【要注意】退職後に「もらえなくなる」致命的なミス

退職後も引き続き傷病手当金をもらう(継続給付)ためには、さらに厳しい条件があります。ここで失敗する人が非常に多いです。

退職日の「挨拶出勤」はNG!

地雷: 退職日に「最後だから」と荷物整理や挨拶のために1日だけ出勤してしまうと、その時点で「労務不能ではない」と見なされ、退職後の継続給付を受ける権利が永久に失われます。

鉄則: 退職日は絶対に1分たりとも仕事(出勤)をしてはいけません。

被保険者期間の不足

地雷: 退職したあとも手当金をもらうには、「退職日までに継続して1年以上の被保険者期間(社会保険加入期間)」が必要です。

対策: 転職を繰り返している場合、1日も空白なく健康保険を乗り継いでいれば通算できるケースもあります。転職直後の休職は特に注意が必要です。

4. 不支給を避けるための「申請前チェックリスト」

申請書をポストに入れる前に、以下の項目を指差し確認してください。

[  ] 労災ではない: プライベートな病気・ケガ(メンタル含む)である。

[  ] 医師の承諾: 医師が「その期間、働けなかった」と証明してくれる。

[  ] 待期の完成: 最初に3日間連続で休んでいる(出勤していない)。

[  ] 給与の有無: 申請期間中、会社から給与(有給含む)が出ていない。

[  ] 保険種別: 国保ではなく、職場の健康保険である。

[  ] 退職日の確認: (退職者の場合)退職日に出勤していない。

5. まとめ:回復への一番の近道は「専門家」を頼ること

傷病手当金は、書類の書き方ひとつ、休み方のタイミングひとつで、もらえる金額や期間が大きく変わってしまいます。
しかし、心身が辛い時に、この複雑な制度を一人で完璧にこなすのは至難の業です。

訪問看護があなたにできること

「書類の書き方がわからない」「会社とのやり取りが怖くて進まない」という時、精神科訪問看護は強力なパートナーになります。

・書類作成のアドバイス: 医師にどう症状を伝えれば「労務不能」を正しく理解してもらえるか、一緒に診察の準備をします。

・生活の安定支援: お金の不安(傷病手当金)と体調の回復(リハビリ)の両面から、自宅での生活をサポートします。

・関係機関との連携: 必要に応じて、会社や主治医、社労士などと連携し、あなたが安心して休める環境を整えます。

一人で暗い部屋で「お金がなくなる」と不安に震える必要はありません。
制度を正しく使い、専門家の手を借りることは、あなたが自分自身の人生を取り戻すための「合理的で賢い選択」です。

訪問看護ステーションリスタには、精神科に強い看護師や傷病手当金の申請に強い事務員も在籍しています。
少しでも気に掛かることがあればお問合せフォームや、LINEからお気軽にお問合せください。

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