急に昔の嫌な出来事を思い出す場合、PTSDを発症している可能性があります。
トラウマが再現される「フラッシュバック」により、日常生活に支障が出ており、悩んでいる方もいるでしょう。

この記事では、急に昔の嫌な出来事を思い出す「PTSD」について、症状や対処法を解説します。

急に昔の嫌なことを思い出す「PTSD」とは？

急に昔の嫌な出来事を思い出す場合、心的外傷後ストレス症（PTSD）が生じている可能性があります。

この章では、PTSDの原因や症状について詳しく見ていきましょう。

強い精神的苦痛がきっかけで起こる

PTSDは、強い精神的苦痛を受けたために発症する「心の傷」です。

虐待や犯罪、災害、事故などを経験し急激なストレスとショックをうけると、心に深い傷が残り、PTSDを発症する場合があります。

文部科学省は、PTSDを発症する原因として以下のような項目を挙げています。



・自分の生命あるいは体に対する深刻な脅威（暴力、性的な虐待、人質に取られる、戦争体験、癌などの重症の病気などが含まれます）。

・自分以外の人間が事故あるいは暴力のせいで重症を負った、あるいは殺害された事件、天災、テロ行為、戦争などを目撃すること。

・自分の子供、配偶者、身近な親族、あるいは友達に対する深刻な脅威（暴力、性的な虐待、人質に取られる、戦争体験、癌などの重症の病気などが含まれます）。

過去に上記のような経験をしており、トラウマを抱えている様子が見られる場合、PTSDを患っている可能性を疑いましょう。

参照：こころの情報サイト/PTSD
引用：文部科学省/心の外相とその対応

「フラッシュバック」が出現する

PTSDの特徴的な症状として「フラッシュバック」があります。

フラッシュバックとは、トラウマを抱えるきっかけとなった出来事が、目の前で繰り返すように想起される現象です。
単純に記憶が蘇るのではなく、実際にその場でおこっているかのように錯覚するため、強い精神的苦痛を伴います。

PTSDでは、ほかにも以下のような症状や特徴が出現する場合があります。

・集中力が低下する
・眠りが浅くなる
・感情のコントロールができなくなる
・人との交流を避けるようになる
・アルコールや薬物に依存する

上記のような症状が出現すると、学業や仕事など社会生活に支障が出る場合があります。



参照：MSDマニュアル/心的外傷後ストレス症（PTSD）

PTSDで急に昔の嫌なことを思い出す場合の対処法

PTSDを発症した場合の対処法を解説します。

精神科を受診する

PTSDを治療するには、精神科で専門的な治療を受けるのが望ましいです。
PTSDの治療は、認知行動療法などの「精神療法」や「薬物療法」によって症状をコントロールしつつ、時間をかけて精神的ストレスをやわらげていきます。

PTSDは時間と共に自然に解決する場合もありますが、専門的な治療を受けなければ症状が改善しない場合もあります。
専門医の管理の元、適切に症状のコントロールを受け、早期の改善を目指しましょう。

精神疾患の専門家を頼る

精神疾患の専門家を頼るのも手段の1つです。
地域の保健所や精神保健福祉センターに相談し、PTSDとの向き合い方や、完治に向けた具体的な支援を受けられます。

また、日常生活にも支障が出ている場合は、訪問看護を利用するのもよいでしょう。
訪問看護では、看護師が自宅に訪問し、一人ひとりの症状や悩みに応じたケアを提供します。
外出がフラッシュバックのきっかけになる方や、屋外で人と会うのが怖い方も安心してケアを受けることが可能です。
症状が強く受診や外で支援を受けるのが難しい方は、訪問看護の利用も検討してみてください。

急に昔の嫌なことを思い出すのがつらいなら精神科で相談しよう

PTSDによって昔の嫌な出来事を思い出してしまい、日常生活に支障が出る方もいます。
社会生活に支障が出ないようにするためには、症状のコントロールや、PTSDとの向き合い方を学ぶのが大切です。
つらい記憶を思い出さずに生活できるよう、精神科の受診や訪問看護を活用しましょう。

『訪問看護ステーションリスタ』では、PTSDで悩む方に対するサポートを提供しています。
お困りの方は『こちら』から気軽にご相談ください。