自傷行為への適切な看護とは?ポイントや意識すべき点について解説
2025.01.17故意に自分の体を傷つけることを「自傷行為」と呼びます。
精神科看護において、自傷行為が見られる患者さまに接する機会もあるでしょう。
この記事では、自傷行為への適切な看護のポイントを説明します。
心理状態の理解はもちろん、看護において意識すべきことにも触れていますので、自傷行為への対応に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
自傷行為に対する看護のポイント
適切な看護を行ううえでまずは「なぜ自傷行為をしてしまうのか」を理解することが大切です。
自傷行為をする方は、自分の体を傷つけ精神的な苦しみから逃れたいと考えている場合があります。
この苦痛を和らげ、原因を解決することが重要です。
ここでは、看護のポイントをいくつか紹介します。
心理状態の理解
心理状態の理解は、自傷行為をしてしまう方の気持ちに寄り添い、個別性の高いケアに繋がります。
その心理状態は人によってさまざまです。
自分では対応できない感情や精神的なストレス、不安や恐怖などから逃げたいといった状態であることが考えられます。
自傷行為をしてしまう背景をしっかりと理解しましょう。
精神的なケア
患者さまの心理状態を理解したあとは、適切な精神的ケアを検討・実施します。
患者さまの中にはうつ病や統合失調症などの精神疾患を発症している場合もあるため、自傷行為の看護には、精神面でのケアも欠かせない要素です。
自傷行為そのものに目がいきがちですが、患者さまの全体像を把握して必要なケアを考えましょう。
環境調整
患者さまが苦手やストレスと感じる環境を排除し、日常生活を送りやすく調整することも、看護師の役割の1つです。
抱えているストレスや問題が解決されなければ、自傷行為は繰り返されてしまいます。
そのため環境調整は、再発を防ぐためにも有効といえるでしょう。
家族へのケアや情報共有
患者さまだけでなく、家族への関わりも重要です。
自傷行為の改善には、家族の協力が必要不可欠です。
「どのように対応したらよいかわからない」などと悩んでいる方もいるかもしれません。
その場合には、家族へのメンタルケアや支援などが必要です。
対して、すべての家族が協力的なわけではありません。
家族が自傷行為を否定的に捉えていると、自傷行為が繰り返され、深刻化するおそれがあります。
状況に応じて必要なケアやサポートを検討しましょう。
参照:厚生労働省/「自分を傷つける」というサイン
自傷行為への看護において意識すべきこと
看護において、患者さまとの信頼関係の構築は大切です。
自分の悩みや本当の気持ちを打ち明けてもらうためには、傾聴の姿勢を見せ、コミュニケーションを工夫しましょう。
基本は傾聴の姿勢を保ち、無理に話を聞き出そうとしてはいけません。
患者さまのペースで話ができるような雰囲気を作り、相手を否定する発言は避けます。
その際、コミュニケーションを工夫することも自傷行為に対する看護では重要です。
自傷行為をやめるような説得や相手の状況を理解しないままの励ましは、逆効果につながるおそれがあります。
具体的な改善方法を一緒に考え常に寄り添う姿勢を伝えることで、安心感を与えられるでしょう。
参照:厚生労働省/「自分を傷つける」というサイン
自傷行為の看護に悩んだら経験豊富な看護師から学ぼう
自傷行為をする方への看護では、患者さまの気持ちを理解し、原因や状況を正しく判断することが大切です。
また、患者さまだけでなく家族へのケアやサポートも欠かせません。
自傷行為に対する看護を深めたい方は、現場で先輩看護師と一緒に働きながら学ぶことが有効です。
「精神科看護に興味がある」「スキルアップしたい」とお考えの方は、『訪問看護ステーションリスタ』で一緒に働きませんか?
興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。